行ってきました、『ヤマトタケル』
猿之助さんのが有名だったから一度見てみたかったが、
今回右近さん主演のを選んでみました。
いやー、猿之助さんの『芸』を受け継いでますね。
台詞の言い回し、間、抑揚、立ち振る舞い。。。
舞台に出てはいないけど、終始猿之助さんが見え隠れしてました。
スーパー歌舞伎はやっぱり気楽だね。
見てても集中しないですむというか、飽きないように展開も早いし、
アクロバティックなもの取り入れてるし、、、
『スーパー歌舞伎』という今までになかったまったく新しい歌舞伎を作り出したのは確かだけど、見ごたえの意味合いがちょっとベクトル違うんだよな。
分かりやすい、見やすい、面白い、かつ『歌舞伎』という伝統芸能を取り入れ、
高尚な娯楽を楽しんでるという気にさせてくれる。
けど、なにかがちょっと薄く見ごたえを感じられないんだよな。
・・・
でも好きなんですよ。
固くない娯楽としては、300年前の歌舞伎に近いのかもしれないし。
で、物語は、
日本がまだ国家として成立する以前のこと。謀反をたくらむ双子の兄大碓命(おおうすのみこと)と口論の末、兄を誤って手にかけた小碓命(おうすのみこと)は、父帝の怒りを買い、未だ大和に従わない熊襲の征伐に行かされることになった。踊り女に変装した小碓命は熊襲の首領タケル兄弟を征伐。熊襲タケルは敵ながらその勇気を称え、ヤマトタケルの名を与えるのだった。
見事熊襲征服を果たし大和に帰ったタケルだったが、父帝の許しは得られず、さらに蝦夷征伐を命ぜられる。蝦夷征伐は苦難の連続で、走水では愛する弟橘姫までも犠牲になった。 ついに蝦夷を平定し、凱旋の途中タケルは尾張国に立ち寄った。国造の娘みやず姫に出会い、傷心を慰められたタケルであったが、父帝から再び大和への帰途、伊吹山の山神を退治することを命じられる。伊吹山の神を甘く見たタケルはみやず姫の元に宝剣草薙剣を置いたまま伊吹山に向かう。苦戦しながらも伊吹山の神を倒したタケルだったが、自身も深手を負ってしまう。
懐かしい故郷の大和を夢に見ながら、道半ばでタケルの命は尽きてしまう。やがてタケルの魂は真っ白な大きな鳥となって昇天していくのだった。
芸を継ぐということは、こういうことなのだろう、
と右近さんの芝居を見てて思った。
以前は猿之助さんが主演の中で、とてもいい役を右近さんが演じているときのあの勢いは非常に魅力的だったけど、なんとなく特定の芸の中で、演じている感が離れなかった。
逆に、段治郎さんがメキメキグングン魅きつけるようになってきたのは気のせいだろうか。
歌舞伎や芝居、映画や歌や画、詩・・・など
受け取る側それぞれの感じ方があるので、
見え方もたくさんあるんだろーなー。。。
さて、歌舞伎座三月はたぶんスルー。
で、四月が『勧進帳』だーーー。
しかも
・弁慶:仁左衛門さん
・富樫:勘三郎さん
・義経:玉三郎さま
これは絶対見る!!
勘三郎さんちゅう乗りの『浮かれ心中』みものだー。
五月の『東海道四谷怪談』は通しだ。
福助さんのお岩さん。
まだ怪談気分じゃないが、「通し」ってのが興味ありです。
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草薙剣(くさなぎのつるぎ)
≪草薙剣≫とは、ヤマトタケルが父景行天皇(けいこうてんのう)に命じられ東征に向かう際、伊勢の斎宮(伊勢神宮においてアマテラスオオミカミに奉仕する未婚の皇女)である叔母のヤマトヒメから授けられた剣です。
駿河の地で、ヤマトタケルが野火をかけられ焼き殺されそうになったとき、この剣で草を薙ぎ迎火を起こして難を逃れたので≪草薙剣≫と呼ばれるようになりましたが、もともとは≪天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)≫といわれていた剣でした。
アマテラスの弟、スサノオが天界から地上に追放された際、人身御供にされかけていた乙女クシナダヒメを救うため、頭が八つある大蛇、八岐大蛇(やまたのおろち)を退治したところ、その尾から出てきたのがこの剣でした。八岐の大蛇の頭上には、常にむら雲がかかっていたので叢雲の剣といわれました。
スサノオは天界に帰り、アマテラスにその天叢雲剣を奉納しましたが、天孫降臨に際し、アマテラスから孫のニニギに譲られ、八咫鏡(やたのかがみ)、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)とともに三種の神器として天皇を象徴する宝物とされました。しばらくは天皇の御座所に祀られていましたが、崇神天皇(すじんてんのう)の娘トヨスキイリビメ、続いてその姪に当たるヤマトヒメに託され、安住の地を求めて六十年にわたり各地を転々としたあと、ようやく伊勢に神宮を定めたとき、そこに安置されたのです。
三種の神器のひとつである剣が、なぜ天皇のもとを離れ、長期間、放浪しなくてはならなかったかは、古代史の謎のひとつでしょう。
ヤマトタケルは、草薙剣と呼ばれるようになった天叢雲剣を妻ミヤズヒメに預けたまま没し、ミヤズヒメはこの剣を熱田神宮に納めました。
この剣は、今も熱田神宮に祀られていると言われています。