平成30年 手作り野草酵素(野草のちから)
桜の花が終わりますと一斉に木々の芽吹き、草が伸び始めます、野草酵素の仕込み時期です。
今春はスギナとヨモギの有り難い出会いが有り、沢山採らせてもらいました。
スギナは驚くほどの繁殖力であたり一面に広がりますがこのエネルギーが弱った身体を癒してくれるといわれます。
生命力の高いスギナの成分はサポニン・葉緑素・ケイ素は3~16%含まれているといわれ、カルシウム・カリウム・その他多糖類・ビタミンも含まれ野草の王様と呼ばれ、血液の浄化作用が高く酵素が豊富に含まれています。
野草の王様ともよばれる位、有用な成分が含まれているスギナを春先に干し、よもぎ、どくだみ、ビワの葉などとブレンドして野草茶としても使用しています。
自然療法研究家の東城百合子先生も「薬草の自然療法」の本の中でスギナ茶を進めており、「生の葉でも干した葉でもよく、葉をひとつかみ急須に入れて、5、6分おいてから飲みます。
また煎じる時は、煮たてるのは5分にして長く煎じないのがコツです。ポットに入れておいてチビチビ飲むのがよいでしょう。」と書いていらっしゃいます。
野草の女王様はヨモギです。
野草の中で一番酵母数が多く200種類以上の酵母が生息していると聞いています。
漢方名艾葉(がいよう)とよばれ、その効能や栄養価の高さから万能薬と言われるほどです。
特にヨモギに含まれるクロロフィルと言う成分は食物繊維の5000分の1の大きさで、小腸繊毛の奥に蓄積した有害物質やあらゆる毒素を取り除いてくれる働きがあるといわれます。
カラスノエンドウも沢山入りました。
含まれている成分は「クエルシトリン」利尿や新陳代謝アップ、「アピイン」はセロリにも含まれているポリフェノールで精神安定をもたらしてくれる。その他(ビタミンB1)も含まれ、ヨーロッパでは消化促進、利尿、解熱の民間薬として用いられているそうです。
ユキノシタ
ユキノシタは我が家の木陰に沢山自生しており、てんぷらや、千切りにして人参を加え梅酢ドレッシングなどで食べています。
漢方では虎耳草(虎児層)といい、解熱・解毒・鎮咳・消炎・止血に使われるそうです。
五葉松の新芽
庭の五葉松の新芽も沢山入りました。
春に松の木が大きくなりすぎないように新芽をはずしますので、はずした新芽が無駄なくつかえるのは一挙両得。
松葉には血流を改善して疲れをとってくれるというので有り難いです。
柿の花
柿の若葉をお隣から沢山もらいました。枝先には可愛い花つぼみを付けています。花つぼみごと漬け込みました。柿の若葉にはビタミンCがたっぷり含まれています。
からし菜
野草ではありませんが何年も自家採取しているからし菜です。全体が濃い赤紫色で若いうちは摘み取ってベビーリーフとしてサラダのアクセントに重宝しています。
4月大きく育ったからし菜も沢山入りました。辛味成分アリルイソチオシアネートは抗菌・抗酸化作用、ビタミンC・カロテンも多く含まれています。
調べてみましたらからし菜(たかな)というようです。
ちりめん葉からし菜 緑色のサラダカラシナも入りました。
ポルトジンユ
マンジェリコンと言って分けて貰いましたが、良く似たポルトジンユのようです。
どちらも沖縄では「奇跡の薬草」と言われ豊富なミネラルやカリウム・カルシュウムが含まれているそうです。挿し木で増えています。
イカリソウ
イカリソウの花が大好きで育てています。
中国の生薬名「淫羊藿」(インヨウカク)といい、養命酒やドリンク剤に配合されていることを知り、びっくりしました。
セリ
庭の隅で自生しているセリ、春の七草がゆで使用しています。
サルトリイバラ
いつからか庭で自生、春先柔らかい新芽をてんぷらにもします。
作ったことはないのですが、柏餅のかしわの変わりに使うことが出来るそうだです。酵素には葉を使いました。
ハルジオン
カモミール
甘い香りがただよいます。
その他、少しづつですが木の新芽・野草を入れました。
モリンガ|クワの新芽|月桂樹の新芽|ビワの新芽|クコの葉|柿の葉|ヤツデの新芽|南天の新芽|タンポポ|オオバコ|タケノコ|ムラサキツユクサ|フェンネル|三つ葉|ヘビイチゴ |ワイルドベリー|菊芋の芽|ニラ|浅葱|ノビル|ユリ根|ツキミソウ|ショウブ|スミレ|ホーチャクソウ|ギボシ|スナックエンドウ|ノラボウ|菊の新芽|フキ|春丁子|青梅
種類は多ければ多いほど効果がたかまり、また安全になるそうです。その他の草も何種類か入り、50種類以上が入りました。
午前中に野草を採り。
私が洗い、夫が野草を量り刻み分担して草がしおれないようにすばやく漬け込みます。
野草と同量の白砂糖をまぶし、野草、白砂糖とミルフィユのように重ねて漬け込んでいきます。
全て漬け込みが終わりましたら発酵剤の響魂をまぶします。
野草10キロに対して響魂180gを使用しました。その上を白砂糖で蓋をするように覆って一晩は静かに寝かせます。
響魂
北半球に比べて海洋汚染の少ないといわれる南半球の昆布を由来とした、粉末タイプの発酵助成剤で粘り成分にはフコイダンなどが多く含まれています。
人間はフコイダンを消化する酵素を持っていませんので、昆布を食べてもフコイダンは摂取できないそうです。
響魂には特殊製法でフコイダンが人に吸収できる形で含まれているそうで有り難いです。
私達動物は栄養を作れません。栄養は植物が作っていてそれを摂取しています。
しかし、植物だけでは栄養が不足します。
大切な栄養素のアミノ酸です。
11種類は自分で作れますが、残りの9種類は体内で作れず、食品から摂取するしかないのです。
この9種類は「必須アミノ酸」と呼ばれています。植物は、必須アミノ酸のうち数種類の含有量が少ない物が多く、植物だけではバランス良く栄養の摂取が出来ません。この不足分を海藻の成分で補っています。
翌日から美味しい酵素が出来ますように声をかけながら白砂糖を溶かしていきます。
最初はなかなか熔けませんので一日2回はかき混ぜます。この時自分の常在菌も酵素に溶け込ませます。
今年は少し長く発酵させてしまいました、良い発酵をしています。
漉していきます。
重しをして1日ポタポタとエキスを漉します。
漉しあがったエキス。
漉しあがったエキスに「海の精」360CCを加え一週間発酵熟成させます。
「海の精」は天然の昆布を丸ごとエキス化した昆布酵素です。
雑菌を抑え、不必要の発酵を抑え栄養のバランスを整えます。
陸上の植物だけでは、必須アミノ酸の3つ位の成分はほとんど採れないそうです。例えば、必須アミノ酸は少ない物に合わせて吸収するので、少ない物があると沢山あるものも吸収されないです。
海の精を入れることにより栄養のバランスが整い、効果が飛躍的に上がるといわれます。
熟成中には泡が出てきます。この泡はサポニンというアクや酵母の泡(酵母膜)で掬い取って保存して置き、痛い所にぬり込んだりしています。
温度が高いと出やすいようで、今回は2回掬いとりました。
以前暑い盛りに瓶詰しました瓶から吹きだして大変なことになった経験があり、涼しい日をえらんで瓶詰したのですが、日本酒の一升瓶を使用したところ、翌朝、見事に噴かれました。
小瓶に詰め替えて、今年の春酵素作りも終わりました。
絞り粕には未だ響魂と野草の成分が残っています、自然の恵みを無駄には出来ません。
寺田本家のにぎり酒(玄米酒の酒粕)を少しと「さわのはな」の生米麹を一握りに砂糖をいれて再発酵させ、1年熟成させ、他の酵素とブレンドして楽しみます。
最後の絞り粕もキッチンガーデンに埋めておきますと微生物の力でふかふかの土になり、力のある美味しい野菜ができています。
野草の成長するエネルギー、それぞれの野草の持っている薬効が微生物の力で酵素エキスの中で育まれていると思うとわくわくします。
自然のちからに感謝して大切にいただきます。