目次
出会っちゃったんだよ
「木暮人国際映画祭2015」があります。
これは「木暮人倶楽部」が実施する森林や木をテーマにした映画上映イベント。
プロ・アマ問わず森林や木をテーマにした映像作品を広く世界から一般に募集して上映します。
総合プロデューサーは久里耕介さん。
「帝都大戦」とか「ジパング」とか「パ★テ★オ」とかとか。
「木暮人倶楽部」の理事は吉田就彦さん。
もともと音楽業界の方で「チェッカーズ」とか「おニャン子クラブ」とか「中島みゆき」とかとか。
僕、ほとんどテレビ見ないのですが、朝だけは「おかあさんといっしょ」的なもの見てます。いまもたまに流れる「だんご3兄弟」。これ、吉田さんのポニーキャニオン時代、最後の仕事だそう。
国分寺であれこれ上映会やっていたとき、声をかけてくれて労ってくれたのがはじまり。同じ市内在住ということもあり、飲みに行ったりしては木のこと、森林のこと、日本の現状のことなど教えてもらいました。
「音楽」や「マーケティング」の人が、なんで「木」に?
そう質問したら、「出会っちゃったんだよ」。
関わってもお金が入って来るわけでもなく、苦難が目の前を容易に想像できても、ウフフな顔して、「それだけだよ」と。
ひとでもものでも、「これ絶対、事故でしょ」みたいな出会いって確かにあります。そこから生き方や考え方がグググって動きだしたり加速したり。
いつも上映会はひとをつなげてくれるのです。
国際映画祭としては今年で3回目。
去年は中国、タイからのエントリーがあり、今年はヴェトナム、マレーシア、韓国からもエントリー。
個々の作品は「世界の○○賞受賞!」とか、「著名人からのお薦めコメント」みたいのはないです。
プロアマ問わずのエントリーだから実際作品の質には差があります。
でも大切なのは木に関わる人やものやお店や物語を映像化してみること。うまい、へた、機材、技術とか横に置いてさ。そうすれば、ここの映像はどうしても入れたいとか、そのシーンをどこに挟み込もうかとか、どういう言葉を入れて想いを伝えようとか考えどころがたくさん出てくる。
そのこと自体に意味があって、それを共有したり、一緒に考えたりする機会。身近なところから、日常を、国境を越えて考え合う。映像にはそうした力があると信じてます。
何年か前、「フレデリック・バック展」に行きました。「木を植えた男」を前に、何時間もそこにいました。
気の遠くなるようなアニメーションの1枚1枚から展開するストーリーに、こちらの意識も遠くなり、その場を離れられなくなっていました。
あの感覚、「セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター」のそれにも近いです。
日本人の僕にとっては日常からかけ離れた、世界の悲惨な現実を見続け、撮り続けたサルガド。気の遠くなるような絶望の先の一筋の希望。行きついた「森の再生」にどれほど癒され、感動的だったか。ガクブルで震えました。
僕は木を植えていない
僕は木を植えていない。森林に関わってもいない。だから、真摯に木に関わっている人すべてに敬意を持っています。
僕は木を植えていない。森林に関わってもいない。でも、気持ちだけは種や苗を植えてます。そうあろうとしています。仕事やライフスタイルを越えていつも考えていたいと思っています。
映像や上映会はひとをつなげてくれる。
映像でも編集でもデザインでも言葉でも絵でも構成でも、、、クリエイターがもっと関わったり、木を使った仕事をしてるひとがもっと教えてくれたり、学生がもっと関わったり、木に関わる人、木のことを考える人の出会いのプラットフォームのような「映画祭」になっていくとよいな。
何人来たから成功とか失敗とかじゃなくて、始めたけど止めましたみたいな企画じゃなくて、どんなに気が遠くなっても続けていくような。
「木暮人国際映画祭2015」
2015年11月14日(土)
開演12:00 終演17:00
港区立神明いきいきプラザ体育館
入場料無料