兎も角、作ってみよう。
わら苞(ワラヅト)納豆出来ました。
毎朝1パックづつの納豆は欠かさない、納豆大好き家族です。
ナットウキナーゼを発見された須見洋行博士の「納豆は効く!―解明された納豆パワーの秘密」の著書に、「手作り納豆に挑戦しよう」というページがあります。
目次
「一家に一納豆」
大正10年、北海道帝国大学の半沢教授は画期的な納豆製法を考え出し、その製法が広まって全国で納豆が作られるようになった。
この納豆の製法は納豆の普及に大きく貢献したが、一方で、それまでの自分で作るという伝統的な日本人の納豆文化はなくなってしまった。
いったん破壊された文化を再建するには、2世代、3世代と時間がかかるであろうが、最近そうしたきざしがでてきているように思う。
納豆づくりはスタートからフィニッシュまで何かを一貫して作りたいという現代人の欲望を満足させるものである。
発酵というのは、操作は簡単のようだが、相手が生き物であるだけになかなか微妙で、それだけ奥が深いものである。
みなさんも、「一家に一納豆」のぜいたくなホビーとして。
(須見洋行著『納豆は効く!―解明された納豆パワーの秘密』)
というわけで、微生物と仲良し、納豆大好きの我が家で納豆作りの始まりです。
折角、作るのでしたら、稲わらでつつむ昔ながらの製法で作りたいと思って思案しておりましたところ、栃木に行きました折り、わら包み納豆のなんと300グラム入り、大包みの納豆を見つけました。
大豆も吟味されていておいしそうですが、たっぷりの稲わらに包まれており、この稲わらにおおいに魅力を感じました。お店の方に、「この稲わらでまた納豆を作れますか?」と聞いてみましたら、「作れないことはないけれど、無理だと思うよ」とのこと。
兎も角、作ってみよう。
最初はお試しのつもりで少しにしました。
豆、豆しいですが、納豆です。
納豆が包まれていた稲わらは熱湯でひと煮立ちさせました。納豆菌は熱に強いというので熱湯消毒です。
天日で稲わらを乾燥させ、大豆は生協で買ったふつうの大きさ、ちょっと大き目の豆です。
一晩漬け込んだ後、大豆が軟らかくなるまで4時間ぐらい煮ました。
軟らかくなった大豆を稲わらに包むのですが、いつもあま酒を作る時と同じように、発砲スチロールの底に湯たんぽを入れます。
納豆大好きのボン(ミニチュアダックスフンド、15歳)も興味津々です。
湯たんぽの上に毛布。そして、新聞紙をたっぷり敷きつめました。
その上に稲わらを半分敷き、軟らかく煮たアツアツの大豆を乗せます。さらに、その上から残り半分の稲わらを乗せ、両はじを縛り、真ん中もこぼれないように縛りました。形だけは、大きなわら苞納豆の出来上がりです。
上からも毛布をかけて発砲スチロールのふたをします。
1日経ったころ、ちょっと開けて匂いを嗅いでみますと、豆はしっかり豆ですが納豆の匂いがしています。大丈夫、納豆できるかな?少し安心しました。
2日目、そーっとあけてみます、納豆の匂いが充満しています。豆は、まわりにふわっと納豆菌がついていますが、糸はひいていません。かなり豆、豆しいですが、納豆です。
あまり糸を引かないらしい?
このまま稲わらに入れっぱなしにしておくのも不安ですので、タッパーに入れて冷蔵庫にしまいました。
7日後にタッパーに入れた手作り納豆と稲わらを、次回も使おうと大切に冷蔵庫に保存し、試しに稲わらの中にも数粒、納豆を残してみました。
稲わら中の納豆は水分をわらに取られたようにぱさぱさですが、味は悪くありません。
タッパーに入れて置いた納豆はしっとりとして、より納豆菌が増えて熟成しているようです。
稲わらに付いている納豆菌はあまり糸を引かないらしい?
みんな納豆が大好き
1歳7か月になる孫は豆好きで、鞘ごと食べられる豆でも器用に鞘の中の豆を採って食べます。
もちろん、出来立てのわら苞納豆を何の味付けもしないで良く食べています。おいしそうに食べているのをみると私もうれしくなります。
友人の同じ年頃のお孫さんの話を聞いてみますと、食の細いお孫さんも、しっかり食べるお孫さんも、みんな納豆が大好きだといいます。幼い子供は本能的に納豆の美味しい、うま味を感じているのかと思っています。
このうま味の成分はグルタミン酸で、うま味成分の代表です。
古くなった納豆にできる、食べるとジャリジャリとした感じの斑点は、チロシン(アミノ酸の一種)の結晶で、うまくないだけで決して悪いものでないそうです。
すごい納豆の薬効
大豆を発酵させ納豆になることによってビタミン類は大幅に増加し、体内での消化吸収が非常に良くなる。
納豆菌の活発な活動により納豆には活き活きした酵素が、バランス良く含まれている。 そのため美肌、成長促進、老化を防ぎ、スタミナ増強など納豆の薬効はさらに増すことが最近の研究でわかってきた。
- ナットウキナーゼやレシチン、リノール酸などの働きにより、血液を浄化し、良質のたんぱく質で血管をしなやかで丈夫にする。
- 人体細胞の活性化に必要な良質のたんぱく質やレシチンが細胞の働きを活発にさせ肌を若返らせる。
- 大豆に含まれている食物繊維が大腸内に理想的な細菌叢(腸内フローラ)を作り便通をよくして健康体の保持に役立っている。
(須見洋行著『納豆は効く!―解明された納豆パワーの秘密』より)
まだまだ未知
自家製わら苞納豆は、豆、豆しいところを利用してサラダのトッピングにはうってつけです。
柿、まいたけ、菜園のからし菜に、豆、豆しい納豆をトッピングして、ゆずこしょうとオリーブオイル、ワインビネガーのドレッシングで頂きました、相性ばっちりです。
自家製塩辛が美味しく出来上がったので、わら苞納豆と残っていたたれで和えてみました。
コクが加わり、2~3倍のうま味が加わった感じです。塩辛を作る時、麹を使っていますので、和えてから早く食べないと、納豆菌と麹菌、どちらかが勝ってしまい、味が変化してしまいそうです。
納豆菌は酸素が好きな性質。もうすこし低温で時間もかけて、美味しい大豆も探したいです。稲わらも手に入るといいなと思っています。それまでは今ある稲わらを使いますが、どのくらい使えるのでしょうか。まだまだ未知の部分が多いですが、改善しつつ楽しみながら、おいしい納豆づくりに挑戦していきます。