梅酢の健康効果には驚くばかりです。
毎年6月、自宅の庭で収穫した梅干しを漬ける際に出る梅酢を大切に保存しておきます。そして帰宅後、風邪予防のために、梅酢を薄めたものでうがいをしています。ちょっと喉がイガイガするなと思う時に薄めた梅酢でうがいをしたり、飲んで寝たりもします。不思議と大事にならずにすんでいますので、殺菌効果がすごいと実感しています。
梅酢漬け【青じその実・みょうが・生姜】
青じその実、みょうが、若い生姜を薄切りにして、自家製梅酢に漬け込みます。
青じその実やみょうがなど、自然栽培の植物の持つ生命力にも、いつも驚いています。
青じそは前年の種が飛び、いろんな場所に生えてきます。自分の力で生えてきた青じそは元気で力強く、夏の間中、そばの薬味に、おさしみの添え物に、生ジュースに入れてとたくさん使っています。
9月の終わりから10月にかけて、花はさしみの薬味に使っていますが、あっという間に種になってしまいます。時期を失うと固く香りも失います。青く、柔らかく、ちょっと歯ごたえのあるところを収穫しました。
みょうがは10年以上前に友人から2,3株分けてもらったものですが、日光の当たらない北側に植えてあるにもかかわらず、元気よく自生しています。
今年は雨が多かったこともあり、たくさんの恵みをサラダに、お吸い物に、薬味にと使い、今頃になりますと花が咲き、風味も悪くなりますのでほとんどを収穫しました。
みょうがにはα―ピネン(精油成分)、カンフェン、グラニオールが含まれております。精油成分には大脳皮質を刺激して、ぼーっとした頭をシャキッとさせ、眠気を覚醒させたり、胃の働きを活発にして、食欲を増進させたり、延髄を活性化して発汗・呼吸・血液循環などの機能促進をし、血行をよくする働きがあります。 (「兵庫栄養調理製菓専門学校」栄養コラムなでしこ通信より)
みょうがに、青じその実と、同じ頃に農家さんの直売所に出てきます若い生姜を加え、自家製の梅酢に漬け込むのが毎年の作業です。作っている間も良い香りに包まれて、幸せの時間です。
長く漬け込んで保存食にするのもいいのですが、浅漬けでしゃきしゃきと歯ごたえと香りの良いところをほとんど食べきってしまいます。
しそには神経を鎮める効果があるといわれますが、爽やかな香りでイライラが治まるというのも納得します。今回はしその実です。プチプチ感が良い感じです。
あまりに凄い梅酢の健康効果を知りますと、食べ終わった後に残る梅酢も無駄にはできません。 再度、今の時期に出てくる柔らかい大根を薄切りにして漬け込みました。
私は料理の時、お酢の変わりに、隠し味に、味つけにと、梅酢をいろいろ使います。参考にしている丸元淑生さんの本には、食事のヒントをたくさんもらっています。料理研究家でもある丸元淑生さんが著書「短命の食事・長命の食事」の中で、下記のように書かれています。
ぜひともすべてのすべての家庭で漬けていただきたいのは梅です。むろん、それは自家製の梅干しを作るためと、梅酢をつくるためです。家庭でなら塩の比率が13.5パーセントという低率で梅を漬けることができますし、その比率でできた梅酢は塩辛くなく、非常に広範囲に使える調味料になります。この梅酢にぴったりあうのは、
- 生のクルマエビ、甘エビ、ボタンエビ
- 生のシラス、シラウオ
- 生のサザエ、平貝、帆立貝
まだまだ、たくさんありますが、少し例をあげてみました。魚をよく食べている方ならば、おわかりになるとおもいます。 みな非常に繊細な味で、醤油の味は強すぎるものばかりが、この塩の浅い梅酢は繊細微妙な味を引き立てて、かすかな味をまぜあわせてくれます。意外に思われるかもしれませんが、梅酢に類似した味の酢は他になく、これは梅だけが作り出す酢です。(丸元淑生著『短命の食事・長命の食事』)
梅酢はおいしいだけでなく、健康効果も目をみはるものがあります。
- クエン酸やリンゴ酸、ポリフェノールなど、有機酸を豊富に含んでいます。 腸から吸収された食物を炭酸ガスと水に分解し、それをエネルギーに変える働きをするのがクエン酸です。そして食べたものを中性脂肪として残さないようにしてくれる働きもします。
- カルシウムの体内吸収率を高める手助けになるのが、梅酢に含まれるクエン酸なのです。
- 肉中心の食事など偏った食生活で酸性になりがちな身体を、梅酢は強力なアルカリ性食品なので、弱アルカリ性に身体を保つことによって、血液の循環を良くし健康な身体にします。
- 梅酢を飲用することにより「アディポネクチン」という超善玉物質(ホルモン)が増加して、血糖値を下げるインスリンの働きを高める効果もあるというのですから驚きです。。
- 梅に含まれる「うめリグナン」がピロリ菌の活動を抑制し、胃のダメージを少なくするため、がんの予防にもなることが明らかになりました。酸っぱいものや辛いものを食べると、脳からの指令で胃を痛めないように胃粘液の分泌が促され、胃壁を守る防衛反応との相乗効果もあるようです。。
- カ唾液には大きく分けると、自然に出てくる唾液と、食べ物などの刺激によって出てくる唾液と2種類あるのですが、より良い効果をもたらしてくれるのが、この「刺激唾液」。脳が反応して(酸っぱいものを見ただけでも)出るものですが、この唾液の中には、ペルオキシダーゼなどの酵素が含まれていて、活性酸素をやっつけてくれるのです。
- 梅酢には紫外線に対して、光免疫抑制作用への改善効果もあるとか。紫外線予防となり、血管を守ってくれる美肌効果もあるというわけです。
(アンチエイジングLife より)
今年の梅干しにはたくさんの赤紫蘇を入れましたので、みごとに美しいピンク色に仕上がっています。さわやかな香りと共にそれぞれの薬効を知りますと身体への吸収も増していると思い、有り難く頂いています。
みょうが、青しその実、生姜を漬けたものは、しば漬け風になりました。大根の漬けたものはピリッと辛みがあります。長いもとクコの実は半日位の浅漬けにしたところ、ほのかな甘みが加わり滋養たっぷりです。
ちょうどこの時節に、ブルーベリーの根本から1本の彼岸花が咲きました。