定期健診でした。
普段、病院や病気のことを忘れるが、このタイミングで自分がまだ「寛解(かんかい)」中であることをはっきりと思い出させる。
※寛解 : 白血病やリンパ腫は治療が終わっても「治癒」という表現をしない。寛解という表現を使う。5年間再発しなければ、漸く「治癒した」という表現になる。
それは先生と会うことや病院の中の風景や臭い、病と闘っている人たちに囲まれることで、自分が以前、笑うことを忘れてそこにいたという記憶の穴がじわーっと広がっていくようだ。
当時は一日に何度も採血をすることが日常だったし、化学療法の点滴など、
針を血管に抜き刺しするのが日常だった。
嫌だけど、痛いけど、それが自分の日常。
嫌だけど、痛いけど、それに慣れていく日常。
そんな日常から離れて、ときおり定期健診にいくと、
『注射やだよーーーーーーー』と、
全然平気です、という表情の内側で小学生のように喚いている。
喚きながら、すっかり「今」に適応している自分がいる。
ときどきやってしまう不摂生やむちゃを急に反省する。
過去と今と未来を過ごす自分に、経験を風化させないよう、
健康診断は結果はさておき、なにかを指し示してくれる。
あれっ、血糖値がちょい高い
富士山バナジウム天然水でも飲むかな!!